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FAQ ニューヨーク州司法試験(NY Bar)編 [NY Bar]

Q: NY Barを受ける人は多いのでしょうか?
A: LL.M.の場合、日本人も含め、例年半数以上は受けていると思います。J.D.の場合、10~20%程度の学生が受験しています。

Q: Bar/Bri(予備校)の講座を受けるためにNYまで行かないといけないのでしょうか?
A: その必要はありません。上記の通り相当数の学生がNY Barを受験するため、近年はBar/Briの講座が当校を会場として開催されています。

Q: 学校のサポート体制はどうでしょうか?
A: 充実しています。MPRE(法曹倫理試験) および本試験前には、試験内容・勉強方法などを案内するオリエンテーションが開かれます。また、本試験のエッセイ対策のため、外部の講師を招いて無料の講座が開催されます。日本人の場合、試験に合格するためには英語力の強化ということも重要な要素になってくると思います。その点についても、週二回LL.M.を対象として大学付属の英語学校の教師が授業を行うLegal Englishでカバーされています。

Q: NY Barの試験科目となっている契約法や不法行為法など、一年生の科目を履修することはできますか?
A: できます。一年生の科目は米国法の基本でもありますし、是非受講されることをお勧めします。ただし、全ての一年生科目を受講することは制度上困難ですし、お勧めもできません。

Q: MPREの準備はどうすればよいでしょうか?
A: 当校(もしくは車で10分ほどの別の地元のロースクール)でBar/Briの一日集中講座が開催されますので、受講されると良いでしょう。受講時に本番試験と同じ形式の問題集が配布されますので、時間配分などを考えながら解くと効果的でしょう。ちなみに試験会場も当校とすることが可能です。

下記のNY Bar体験記もご参照ください。
http://blog.so-net.ne.jp/vanderbilt-law-japan/2007-11-17


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卒業生MのNY Bar合格体験記 [NY Bar]

 J.D.プログラム2007年度卒業生のMです。NY Barは、決して簡単な試験ではありません。一方で、日本の司法試験のように長期間の勉強が必要とされる試験ではなく、短期間集中して勉強すれば受かるだけの実力を身につけることも可能な試験です。NY Barについて、とくに日本人による情報はあまり多くはなく、私が実際に受けてみてわかったこともあります。以下の情報が少しでも今後受験される方のお役に立てば幸いです。

① NY Barとは?

 NY Barは大きく分けて、(1)MPRE(全米共通倫理試験)、(2)本試験一日目(NYポーション)、(3)本試験二日目(MBEポーション)の3つから成ります。一つ目のMPREとは、四肢択一形式60問を2時間5分掛けて解く、弁護士倫理に関する全国共通の試験です。11月、3月、8月の年3回行われていますが、11月に受験する人が多いようです。NY Barに最終合格するためには、MPREにおいて100点を平均とする偏差値方式で85点以上が必要とされています。

 二つ目のNYポーションは、NY州法に関する試験です。下記のMBEポーションの6科目および民事訴訟法・会社法・相続法など約18科目(数え方によって多少異なります)についてのエッセイ(5問、3時間半)および択一(50問、1時間)試験で構成されています。これらに加え、MPTと呼ばれる、配布資料をもとにメモなどを作成する実務試験(1時間半)が本試験1日目に行われます。なお、エッセイおよびMPTについては、試験申込時に選択しておけばパソコン受験が可能です。

 三つ目のMBEポーションは、全州共通の試験です。契約法・憲法・刑法(刑事訴訟法含む)・不法行為法・不動産法・証拠法の6科目についての四肢択一200問を6時間掛けて解きます。なお、米国には全州共通の法律というのは存在しないのですが、全州を大まかにカバーするようなルール、もしくは多数ルールなどについて聞かれます。これが本試験の二日目に行われます。

 大手の予備校としてはNY Barの全てをカバーしているBarbriと、MBEに特化しているPMBRの2つがあります。ちょっと名前が紛らわしいのですが、MPREは試験の名前、PMBRは予備校の名前です。

② 全体スケジュール

 下記のスケジュールはあくまで2007年度7月の試験に基づくものです。また、かなりそれぞれのアクションを早めに取りましたので、下記のとおりでなくてはならない、ということはないと思います。

2006年8月     ホテル予約
2006年8月     MPRE申込
2006年9月     BarbriのMPRE講座申込
2006年10月21日 BarbriのMPRE講座受講
2006年11月4日  MPRE受験
2006年12月7日  MPRE結果発表
2007年3月     Barbriの本試験講座申込
2007年3月     PMBRのMBE模擬試験申込
2007年3月     飛行機チケット予約
2007年3月     NY Bar本試験申込
2007年5月21日~7月11日 Barbriの本試験講座受講
2007年7月13日  PMBRのMBE模擬試験
2007年7月24、25日 NY Bar本試験受験
2007年11月15日  NY Bar本試験結果発表

③ 勉強法

 ここでは私のとった勉強法・感想を参考程度に述べさせていただきます。詳細な勉強法については、Kaoriさんのホームページや、当校の2007年度LL.M.卒業生のMayさんの記事にとても丁寧に掲載されていますので、是非そちらをご参照ください。
http://www.netpassport.or.jp/~wkaoritk/index.html
http://blog.so-net.ne.jp/vanderbilt-law-japan/2007-12-05

(1)MPRE
 
 上記のスケジュールで、講座と試験の間に二週間程度しかないことからもわかるように、MPREは長期間の準備を要求する試験ではありません。講座会場では問題集も配られます。講座終了後にしっかり復習すれば、十分合格できる知識は身につきます。ネックとなるのは、知識そのものよりも、問題を解くスピードではないかと思われます。

(2)本試験

 Barbriの講座および模擬試験を受講し、復習およびアサインメントを大部分こなせば、合格のための必要最低限の知識は身につくと思います。ちなみにBarbriの模擬試験は講座期間内に組み込まれています。もっとも、毎日授業があるので、復習とアサインメントをこなすのはそれほど簡単ではありません。私の場合、一番重視したのは授業の復習でした。しかし、MBEの上級問題には全く手をつけられず、また最終週は自分のノートを見返すことに集中したため、エッセイの練習問題がかなり手付かずで残ってしまいました。なお、講座の内容は、講師が変わる場合を除いて毎年それほど大きな変更はありませんので、前年度の受講者のノートを手に入れると非常に役に立ちます。

 PMBRの模擬試験および問題集はプラスアルファだと思います。私はPMBRの模擬試験を受け、その復習もしましたが、模擬試験申し込み時に配られた分厚い2冊の問題集には全く手を付けられませんでした。もっとも後述のように、私は本番のMBEをかなり難しく感じましたので、これらの問題集をしっかりやっておけばもっと簡単に感じたのかもしれません。なお、私のMBEに関するスコアは、Barbri模試が119点、PMBR模試が97点、本試験のScaled Scoreが145.9(素点は不明)でした。
 
 ちなみに、J.D.の学生はMBEの6科目のほとんど、およびNYポーションにかかわる科目のいくつかを、既に授業で学んでいます。もちろんNY法そのものを学ぶことは(一部のNYの学校を除いて)ほとんどありませんし、授業とNY Barの勉強では学ぶ内容も性質も大きく異なります。ただ、法律用語や全体構成を知っているという点で、J.D.のほうがLL.M.の方々よりも優位な立場にあることは確かだと思います。不安に思われる方は、Barbriの講座開始前に、PMBRが開催している6科目事前講座や市販のテープなどを聞いて、概要を学んでおかれると良いと思います。

④ 試験当日の様子
 
 NY居住者以外は、パソコン受験・筆記受験者ともに、基本的にAlbanyでの受験となります。ちなみに、2007年度はAlbanyのパソコン受験者が予想よりも多かったため、申込締切後に先着順でManhattanでの受験も受け付けていました。私は大きな会場での受験が嫌だったので、Manhattan受験は申し込まず、結局Albany空港近くの、Desmonde Hotelでの受験となりました。実はもともとダウンタウンのホテルしか確保していなかったのですが、会場発表後にすぐにインターネットで調べたところ、会場から徒歩5分程度のHoliday Innを押さえることができました。この時期にはかなりのキャンセルが出ますので、インターネットを逐次チェックされると良いと思います。

 試験の二日前の日曜日にAlbany入りし、試験会場の下見や軽めの勉強をして本試験に備えました。覚え切れていない部分も多々あったのですが、無理して細かい部分を詰め込むよりも、体調を整えるほうが重要と自分に言い聞かせました。特に前日の夜は早めに勉強を切り上げ、頭を使わなくてすむアニメ映画を見て床に就きました。

 試験第一日目は、NYポーションが行われました。1時間前に会場入りし、飲み物やスナックも取り揃えて万全の準備をしたのですが、試験開始の合図とともに大変なことが起こりました。私はパソコン受験をしていたため、受験用のソフトを立ち上げ必要なパスワードを打ち込んだのですが、読み込み中を示す砂時計が回転したまま、なかなか次の画面に進みません。仕方ないので、とりあえずマークシート方式の択一試験から始めました。

 ところが20分ほどたっても、パソコンの画面の中ではまだ砂時計が回転したままです。技術サポート担当者を呼んでもらったのですが、どうも会場に一人しか担当者がいないらしくなかなか来てくれません。やっと来てくれたものの、もうこれは再起動しかないとのこと。仕方なく再起動すると、画面が真っ青に。「ああこれはハードディスクがいかれちまった。もうどうしようもない。」とのこと。F○○K!と大声で叫びそうになりましたが、たしかにどうしようもない。覚悟を決めて、エッセイは全て手書きにすることにしました。

 ロースクールに入学して以来、ノートや試験はすべてパソコンを使用してきたため、手書きで受けなければいけないというのは大変なショックであるとともに、非常に困難な作業でした。通常であれば回答のアウトライン(大枠)を考えたらあとはひたすらタイプしつつ編集作業を行うのですが、筆記だと全てしっかりと考えてから書き始めなければなりません。行を空けて書いてはいけないとの指示があるため、あとから付け足すことも出来ません。

 午後の試験ではショックを引きずってしまったのか、MPTの回答用紙にエッセイの回答を書いてしまいました。気づいたのは回答を全て書き終えた後で、「ああこれでBarも終わりだ」と観念したのですが、係員のおばちゃんに聞くと、表紙の「MPT」を消して「エッセイ」に書き換えればよいとのこと。パソコンが崩壊した私を不憫に思ったのか、ほかにもあれこれとおばちゃんは親切にしてくれました。

 いちおう全てのエッセイおよびMPTを終えることができ、たぶん主要論点はそこそこ押さえられているだろうとの感触はありましたが、パソコンクラッシュのショックもあって全く自信はありませんでした。いくつか基本的なルール、たとえば犯罪の成立要件といた暗記必須のルールを「ど忘れ」してしまったり、5問中1問は全く知識のない論点が出たりしたため、ルールを適当に作り上げる部分も多少ありました。ちなみにその一問については、周囲の学生も同様に難問だと感じていたようです。今思うと、こうしたことは多少の差はあれ誰にでも起こることですので、重要なのはそのときにいかに慌てずに対処できることだと思います。

 一日目終了後はできれば勉強をしたくなかったのですが、試験のせいで頭が完全にNY州法モードになってしまっていました。そのため、MBE6科目の全国ルールとの違いを思い出そうと、とりあえず一通りの復習をしました。夜は再び映画を見て頭を休めました。二日目はMBEポーションで、すべてマークシート方式の択一試験です。もうパソコンやその他のトラブルに悩まされることもないので、安心して望めましたが、問題はBarbriの模試や、それよりも難しかったPMBRの模試よりも、さらに難しく感じました。ただ難しいといっても、誰も知らないようなルールを聞く問題というよりも、ルールそのものは知っていても当てはめがむずかしく、答えを一つに絞りきれない問題が数多くあったという印象です。

⑤ 合格発表

 試験結果の発表は11月15日。11月に入ると周りの一年目アソシエイトたちもそわそわし始めました。事務所のポリシーでは、一度めの不合格は「何かの間違い」としてもう一度受験の機会が与えられるものの、もう一度落ちたら職の保証はありません。また、仕事を続けながらもう一度あの勉強をするかと思うと、精神的にも肉体的にも非常につらいものがあります。ですから、この結果発表はわれわれにとっては最大の関心事でした。「11月16日の合格者リスト発表の前日の9時に、オンラインで自分だけの合否をチェックできるらしい」という情報は、瞬く間に事務所内に伝わりました。

 朝の9時、この日ばかりは出社を遅らせ、家で発表をチェックすることにしました。震える手で受験番号と生年月日を打ち込むと、そこには(当然ながら)英語で数行が書かれています。とっさに頭に入ってこず、ゆっくりと始めから読んでいくと、しばらくしてWe congratulate you … の文章が。この数ヶ月間胸につかえていたものが取れた思いでした。特に、パソコンが破壊され慣れない手書きを余儀なくされたことから、正直落ちてもおかしくないという不安がありました。ちなみに、この日には1年目アソシエイトが全員集まる会議があったのですが、全員揃って合格ということで、みな晴れ晴れとした表情でした。

 なお、NY司法試験委員会の発表によれば、今年は10,907人が受験し、全体の合格率は70.6%で昨年よりも1.1%上昇したとのことでした。ちなみに、Foreign Educatedの学生の合格率は37.9%とのことでした。より詳細なデータは、http://www.nybarexam.org/PRESS.HTMをご参照ください。また、この発表によれば、パソコン受験者のうち47人のエッセイの一問ないしそれ以上のデータが失われ、その部分を統計的に処理するなどの救済措置がとられたものの、23人が不合格だったということです。パソコンが破壊されるという経験をした私にとっては他人事ではなく、たとえ数字的な救済は行われたとしても、その人たちの試験中の精神的ダメージははかりしれません。

⑥ Tips
 
 個人的な経験から得た、試験前に知っておくべき、もしくは知っておくと得するかも知れない情報です。

• ホテルはなるべく早く確保する。ただし、試験会場発表(試験の2週間前くらい)直後にキャンセルが相次ぐので、確保できなくても、その時期にトライするべき。一方で直前にキャンセルできないホテルもあるので、キャンセルポリシーを確認すること。試験会場となるホテルを確保できれば、荷物・食事・空き時間などすべての面で便利です。また、空港からシャトルで送迎してくれるホテルもあるので、事前に確認を。

• 飛行機は数ヶ月前からしか予約できない一方、直前の確保が難しいので、会場がマンハッタンになる可能性も考慮してNYC経由にするとよい。

• 現地入りは少なくとも前々日にして、飛行機がキャンセルされるリスクを担保する。今年度は前日にDCからの飛行機がキャンセルされ、試験を受けられなかった人がいたそうです。

• 会場まで徒歩の場合は、折りたたみ傘を忘れないように。ホテルではあまり売っていません。

• 試験会場の下見をしておくこと。会場となる部屋、トイレの位置、荷物を預かってくれるか否か、ランチや飲み物は手に入るか、など。私が受験したDesmondeでは、予約しておけばランチボックスが手に入るようでした。もっとも、レストランもすいていたので、私は二日ともそちらを利用しました。

• アナログの腕時計を持参すること。デジタルはチケットの注意書きで明確に禁止されていますが、アナログであればかまわないようです。私の試験会場には、なんと時計がありませんでした。

• 耳栓、目薬、音のしないスナック、予備の鉛筆(赤鉛筆は使用不可)、鉛筆けずり、ボールペン(黒か青)、蛍光ペン、消しゴム、常備薬、身分証明書なども持参するべき。会場には、これらを入れた透明ケースを持ち込み可能です(Barbriでも授業中にケースが配布されます)。なぜか財布は持ち込めないので、宿泊しているホテルに預け、現金をポケットに入れて持ち歩く必要があります。また、手書きはボールペンでなくてはなりません。ルールが変わる可能性があり、また私のルールの読み方が正しい保証もありませんので、各人しっかりとルールをお読みください。

• 昼休みは1時間半あるので、結構時間をもてあましてしまいます。会場に荷物を預けることができるようであれば、ノートや参考書などを持ち込んで軽く復習するのも良いでしょう。

• 周囲に必ず「試験簡単だったね」などとのたまう人たちがいると思いますが、無視するか適当に相槌を打っておきましょう。試験後の感触と結果は必ずしも一致しません。

• 手書きとパソコンの差をあまり感じずどちらにするか迷っているのであれば、手書きにするべきです。パソコンの便利さは捨てがたい一方、私のような事例もあるので、もし迷っていたなら悔やんでも悔やみきれなかったでしょう。

 最後に、繰り返しになりますが、NY Barは決して簡単な試験ではありません。かといって、超難関の試験でもありません。信念を貫いて勉強され、みなさまが合格されることを祈念いたします。

【2008年3月4日 追記 合格後の手続き】

2007年12月5日   申請書送付
2008年1月11日   面接等スケジュール受領
2008年2月25日   面接
2008年2月26日   オリエンテーション
2008年3月3日    宣誓式、正式にNY弁護士資格を取得
 

 面接などのスケジュールは、申請書の受領順に割り当てられるようです。私は、First Departmentで弁護士資格を取得しました。NY Barは当時テネシー州に住んでいたためThird Departmentで受験し、現在もニュージャージー州に住んでいますが、勤務先がマンハッタンにあるため、合格発表の前に異動願いを出しました。具体的には、勤務先のレターヘッドを使って、Third Departmentに「勤務先がNYなのでFirst Departmentに異動してくれ」というFaxを送ると、後日First Departmentから了解のレターが送られてきます。Bar受験後に日本に帰国された方はおそらくThird Departmentでの申請になるため、スケジュールなども異なってくると思われます。また、以下の記述はあくまで2007年7月のNY Barに関するものですので、今後変更になる可能性があります。

(1) 申請書作成

 受験者のバックグラウンドなどにより必要書類は多少異なると思いますが、基本的に必要なのは、以下の4つの書類です。なお、合格発表前から準備をしておいて、合格発表と同時に申請することも可能です。合格前から推薦状などをお願いするのは、ちょっと度胸がいりますが。

① Application for Admission Questionnaire:職歴その他の個人的情報について答え、署名した上で、公証してもらいます。米国では法律事務所や学校には多くの公証人がいるため、その人の前で署名し公証してもらえばよいのですが、日本の場合は、公証人役場まで行く必要があると思われます。

② Law School Certificates:卒業したLaw Schoolに書類を送付して、Law Schoolから弁護士協会に直接送付してもらいます。私はJ.D.資格のみでNY Barを受験しましたが、日本でも法学部を卒業しているため、そこからもCertificateをもらわなければいけませんでした。私の卒業した大学は、海外にCertificateを送付してくれないため、東京事務所の人を代理人として、そこから協会に送ってもらいました。厳封の必要はありません。

③ Legal Employment Affidavits:法律に関する職歴(パートタイム・フルタイムを問わず)について、勤務先から発行してもらいます。下記④も同様ですが、日本の方にお願いする場合には、公証人役場で署名を公証してもらう必要があります。

④ Affidavits as to Applicant’s Good Moral Character:簡単な形式の推薦状です。2通必要で、うち1通は「できるだけ」弁護士であることが望ましいとされています。受験者および卒業したLaw Schoolの関係者は推薦者になることができません。私の場合は、Law Schoolの同級生の奥さん(弁護士)と、Vanderbiltの別の学部のスタッフの方にお願いしました。

(2) 面接・オリエンテーション

 面接は一対一で行われます。パネルで仕切られた部屋の中に10人ほどの面接官がいて、面接官は何らかの法律関係者と思われますが、私の場合は年配の女性の判事の方でした。特に難しい質問は無く、なぜロースクールに行ったか、いまはどんな仕事をしているかなど、あっけなく数分で面接は終わりました。ただ、面接官により内容は異なるようで、私のはるか前に面接室に入った受験生が、私が終わったときもまだ面接していました。オリエンテーションは翌日、別の場所で行われました。3人のLawyerのスピーチを聞くだけです。

(3) 宣誓式

 面接の約一週間後、マンハッタンのNY州高等裁判所にて宣誓式が行われました。今回の対象者は70人ほど、家族や友人の同伴も可能なため、かなりの混雑でした。残念ながら、裁判所の中では写真をとることができません。裁判所の傍聴席に座って待っていると、5人の裁判官が入ってきました。これから一人一人宣誓を行うのかなと思いきや、係員が一人立ち上がって、「では皆さんも立ち上がって、後に続いて言ってください。I swear …」と、70人が一斉に宣誓を行うのです。内容はごく短く、「合衆国憲法とNY州憲法を遵守し、誠実に業務を行います」というものでした。その後一人の裁判官から10分ほどスピーチがあり、それで宣誓式はあっけなく終了でした。これでやっと私も正式なNY州弁護士ですが、変わったことといえば、「Not yet admitted in NY」がメールの書名欄や名刺から削除されたことくらいでしょうか。


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卒業生MayのNY Bar合格体験記 [NY Bar]

LLMプログラムを2007年に卒業したMayです。2007年7月のNY Barを受験し、運良く合格することができました。以下、私の受験生活や勉強内容などについてご紹介したいと思います。これから受験される方の参考になれば幸いです。

(なお、NY Barについての概要・注意点などは、Mさんの体験記http://blog.so-net.ne.jp/vanderbilt-law-japan/2007-11-17に詳しく記載されておりますので、まずはそちらをご参照いただければと思います。)

1 受験生活

私は5月16日に第一子を出産したため、子育てと受験勉強をほぼ同時期にスタートさせることになりました。22日からBarbriの講義が始まりましたが、産後の弱った体では車の運転はもちろん荷物を自分で運ぶこともできず、当初は毎日教室まで夫に送り迎えをしてもらっていました。日本から母親を呼び寄せ、家事や育児に協力してもらいましたが、基本的に母乳以外は受け付けない子供だったので、Barbriの講義の時間帯以外は子供のそばを離れられない状態でした。また、腱鞘炎・腰痛・悪露など産後特有のトラブルに悩まされたことに加え、子供の世話で慢性的な寝不足状態にあり、体力的にも厳しい状態に置かれていました。基本的に勉強に集中できるのはBarbriの講義の時間のみ、あとは子供の世話の合間に細切れに勉強をする感じでした。

2 受験戦略

他の受験生に比べると勉強に割くことのできる時間が著しく限られていたため、合格に最低限必要なことは何かを常に考えながらメリハリをつけて勉強するように心がけました。具体的には以下のとおりです。

勉強全般について
・ 普段の勉強はBarbriの講義の復習を中心としました。NY Barは受験者の7割が合格する試験であり、しかも大半の受験生がBarbriを受講しています。したがって、人がやっていることを同じようにやることが何より大切と考え、Barbriで学んだことをきちんと理解することを最優先事項と位置付けました。
・ 前述のとおり、私の場合はBarbriの講義が唯一集中して勉強できる時間帯であったため、この時間をいかに有効活用するかという点が一番の課題でした。最初の1週間ほどは方法を模索する状態でしたが、2週目からは、過去ノートをみながら講義を聞きつつcondensed note(要点のみをまとめたノート)を作成するという形にしました。Condensed noteは直前期の見直しに大いに役立ちました。
・ 2ヶ月という期間は短いようで長く、最初のころに頑張って記憶をしても時間がたてば忘れてしまいます。そのため私は、Barbriの講義終了後の2週間を細部のinput(記憶)にあて、その前の6週間は、講義の復習とcondensed noteの作成に集中しました。ただし最初のころに講義が行われたNY科目については、放置しておくと完全に忘却の彼方に行ってしまうと考え、時間のあるときにcondensed noteを読み返し記憶を喚起するように努めました。
・ Barbriの講義開始前から受験準備をはじめるつもりで4月にPMBRの講義CDを購入しましたが、学校の勉強(論文執筆)と出産準備でとても手が回らず、結局は数枚聴いただけ、しかも内容はほとんど頭に残りませんでした。最近では、年明けころからPMBRの問題集を解き始めたり、3月頃からBarbri講座を受講し始める方も多いようですが、個人的には、長期間にわたりダラダラ勉強するより短期決戦のつもりで臨む方が効率がいいのではないかと思いました。何よりわずか9ヶ月しかないLLMの在籍期間をNY Barの受験準備に割くのは勿体がないように思います。

MBEについて
・ MBE科目についての問題演習の大切さは過去の合格者がそろって強調するところであり、私も基本的にはその通りだと思います。しかしながら闇雲に多くの問題を解けばいいというものではなく、問題演習を通じて自分の不得意分野を認識し弱点を補強していくことが必要と思います。特に私の場合、十分な問題演習をする時間がなかったので、再度間違える可能性がある箇所についてはCondensed noteに要点を書き込むか別途メモを残す形とし、直前期にさっと見直しができる状態にしておきました。
・ MBE6科目のなかで最も点を稼ぎやすい科目は憲法と一般には言われていますが、これはアメリカ人の場合は学校教育や日頃のニュース報道などを通じて憲法に関する基礎知識を身につけているためと思われ、日本人の場合にはBarbriの講義のみでは太刀打ちできないように感じました。よって私は、憲法については例外的にBarbriの講義に加えてPMBRのCDを聴きました。このCDでは重要判例などについて分かりやすく解説がなされており、なかなか役に立ちました。
・ MBEは3時間×2の長丁場なので、途中で集中力が切れないようにする工夫が必要です。私の場合、問題文を頭から読むのではなく、まず最後の一文を読んで何の科目の問題で何が聞かれているのかを把握してから、問題文を読むようにしていました。こうすることによって目的意識を持って集中して問題文を読むことができたほか、関係がなさそうな部分はスピードを上げて読み、時間を節約することができました。また読みながら人物の名前に丸をつけたり図を書いたりするなど、常に手を動かすようにして、脳の活性化に努めました。
・ ちなみに私の場合、6科目のうち学校で勉強したことがあったのはcriminal procedure のsearchの部分のみ、そのほかは0からのスタートでした。解いた問題数は合計で900題程度(BarbriのIntermediate+drill+模試二回+α)、PMBRの問題集については、手をつける余裕がありませんでした。他の方の合格体験記などをみるとだいたいみなさん2000~3000題程度、多い人だと4000題近い問題を解いているようなので、それに比べればかなり少ない数ということになると思います。なお、模試の点数はいずれも100点前後、本番はScaled scoreで142.5でした。(Raw scoreは今年から通知されなくなったようなので不明です。)これがどの程度の点なのかということですが、National Conference of Bar Examinersの資料によれば、7月の試験の全受験者の平均が例年142-143のようなので、ちょうど平均程度ということになるようです。日本人はMBEで点を稼がなければならないと言われているので、胸を張れるような点ではないわけですが、「エッセイで大コケしなければなんとか合格できるレベル」に一応は達していたのかなと思います。
参考:Bar Examの統計(National Conference of Bar Examiners)
http://www.ncbex.org/fileadmin/mediafiles/downloads/Bar_Admissions/2006stats.pdf

NYエッセイ
・ 当初はBarbriのカリキュラムに従い問題を自分で解き答案構成を作成していましたが、一問にあまりにも多くの時間がかかり効率的ではないと思ったため、7~8問程度でやめてしまいました。結局は問題文を読まずに過去の合格者が作成した答案構成のみを2度ほど回しただけでしたが、答案構成の流れと重要論点を把握するという意味では、これだけでもかなり効果があったように思います。
・ エッセイはキーワードに着目した採点がなされると聞いたことがあったので、重要な法律用語や法律の名称、要件・効果などについては、正確に記憶するように努めました。
・ NY distinctionsについては、Condensed noteで分かりやすく色分けをしておいて、直前期に一気に暗記しました。

MPTについて
・ 時間を割いたところでそれに見合うだけの点数アップは期待できないと考えたので、Barbriの講義のなかで一回答案を作成したほかは、特に対策などは立てませんでした。
・ なお、英語のリーガルライティングは日本語のそれとはルールが全く異なります。例えばIRAC(Issue, Rule, Analysis, Conclusion)の順に論じることは必須であり、「確かに~しかし~したがって」ではアメリカ人には理解してもらえません。VanderbiltではLLM向けのライティングの授業があり私の場合はこれが非常に役立ちましたが、そのような授業がない場合は自分で勉強する必要があると思います。学校の期末試験対策としても重要ですので、早い時期に薄い本を一冊読まれるといいのではないかと思います。

NY択一について
・ Barbriの黄色い本に記載された問題を20問ほど試しに解きましたが、あまりにマニアックな内容に嫌気がさし、以後手をつけませんでした。NY択一は5割とれれば十分といわれていますから、MBEやエッセイ対策をまずは優先すべきと思います。

3 その他TIPS(受験に際してのトラブルなど)

・ 腱鞘炎に苦しんでいた私にとっては手書きでの受験は考えられず、ラップトップ受験の申し込みをしましたが、一度目の抽選に外れてしまいました。周囲を見る限り抽選に外れた人は1~2割程度、頭にきてBar Examinerに抗議の手紙を送りましたが、「ソーリー、二度目の抽選結果を待ってね。」という連れない返事でした。結局二度目の抽選で当選しましたが(といっても希望者全員が「当選」だったようですが)、試験会場はバッファローかサラトガのいずれかになるとのこと、飛行機やらホテルやらを一から手配しなおすだけの気力は残っていなかったため、やむなく手書きを選択しました。なお、後で友人から聞いたところによれば、二度目の抽選に当選してすぐにBar Examinerのホームページにアクセスすればマンハッタンも選べたとのこと、非常に悔しい思いをしました。なお、当日は手首にサポーターを巻いての参戦となりましたが、一日だけだったので症状が極端に悪化することもなく何とか乗り切ることができました。

・ 試験前日は緊張のため眠ることができず、徹夜で一日目の試験に臨むこととなりました。実は日本の司法試験を受験したときも同様のトラブルに遭遇したことがあったので、(眠れないほど緊張していたのに変な話なのですが、)特にあわてることもなく、日本から取り寄せて準備しておいた眠気覚ましドリンク剤を飲んで乗り切りました。アメリカでもこの手のドリンクは市販されているのではないかと思いますが、私のようにchicken heartedな方は事前に日本から取り寄せておくといいと思います。

・ 1日目の午前のエッセイでは、Barbriの講師の指示どおり、修正がしやすいように「一行おき、右ページのみ使う」形で答案を書きましたが、試験終了直前に答案を見直していたところ、「すべてのページを使うこと、行はあけないこと」との指示が答案用紙に書いてあることに気づき、頭が真っ白になりました。合格したことからすると結果的に私の場合はお咎めなしだったようですが、注意事項などについては念には念を入れ事前にきちんと目を通すべきと痛感しました。

・ 宿泊先のホテルが試験会場から近かったため、昼休みの時間帯にホテルに戻りました。午後の開始時刻の15分ほど前に試験会場に戻ったところ、荷物チェックのための長蛇の列ができており、なかなか中に入ることができませんでした。試験開始時刻直前に漸く入り口にたどりつき、ギリギリセーフ!・・・と思ったのですが、なんと中では既に試験が始まっていました。会場内の大時計が4~5分早く進んでいて、その時計にあわせて試験が開始されていたのです。席についてからも座席表やらサンプルライティングやら色々なものを書かされ、10分近く時間ロスをしてしまい、非常に痛かったです。大きめの試験会場の場合にはセキュリティチェックにも相当時間がかかるので、30分程度前に現地に到着するようにした方がよいと思われます。

4 おわりに ~受験生活を振り返って~

当初はアメリカ人からも「You are crazy!!」といわれるほど無謀にみえた挑戦でしたが、運良く1回の受験で合格することができました。
今から振り返れば、頭の中は勉強のことよりも「おっぱい」のことでいっぱいという、とても奇妙な受験生活でした。特に直前の10日間は、私が不在の間に必要となる母乳3リットルを「生産」するため、勉強そっちのけで搾乳機片手におっぱいと格闘する毎日でした。十分な母乳が準備できなければアルバニー行きを断念せざるを得なかったので、このときは本当に必死でした。試験の前々日にNY行きの飛行機にのったときには「ああこれでやっと勉強に集中できる」と思いました。
ロースクールの卒業式の直後に生まれた娘もいつの間にか大きくなり、合格発表のあった11月15日にHalf Birthdayを迎えました。切羽詰まった受験生活の中でも笑顔と希望を失わず前向きに頑張ることができたのは、この子のおかげと思います。また、「受験したい」という私の我儘を文句ひとつ言わずに受け入れてくれた家族や、受験勉強その他様々な面でサポートをしてくれた友人・学校関係者には、本当に感謝しています。
以上、長文となりましたが、最後までお読みいただき、有難うございました。これから受験される方々の参考になればうれしく思います。皆様方の合格を祈念し、結びの言葉とさせていただきたいと思います。


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